でも、彼女にも少しは同情してしまう。ずっと一人で過ごしているのだろう。環境は違えども僕と一緒なのだから....

僕がこの病院に入院するのは四ヶ月。その間くらいであれば一緒にいてもいいかもしれない。


でも僕はつまらない人間だ.....だから結局一緒にいなくなるだろう。

辛くなるかもしれないけど、今後関わらなくて済む.....ならば仲良くしてもいいのかもしれない.....


ただ、この一言で僕の人生が変わってしまうかもしれない。何が起こるのか分からないから....いい方にも悪い方にも....

 
だけど....彼女に、希心さんに同情してしまった限り、僕は彼女と似ている部分があると思ってしまう....だから少しぐらいなら....


「分かった、いいよ。でも僕は四ヶ月の入院生活になるからその間でいいのであれば.....」

「本当ですか!?ありがとうございます!!」


パァーッと彼女の顔は明るくなった。きっとずっと友達もいないで過ごしてきたのだろう。

病院で友達ができてもその人が退院してしまう経験もしてきたのだろう。きっと僕のそうなるはずなのに....彼女は前を向いて行けているんだ.....


僕は本当につまらない人間なんだな.....自分でもよく分かってる。

だって.....今、目の前に僕と同じような人が現れたら一緒にいたく無いし、関わりたくも無い。諦めたわけでは無い.....もう無理だと思ったんだ.....


「燈空さん。私のこと希心って、呼び捨てで呼んでください。その方が友達っぽいので......いいですか?」

「分かった。じゃあ君も呼び捨てでいいよ......」

彼女は....希心は嬉しそうな顔をしていた。まるで初めて友達ができた小さい子みたいに.....