それにしても、そのバンド仲間のことは信用していると言っていたから、今思えば人間不信じゃないようにも思うが……信じるまでに時間を要するなら、やはりそうなのかもしれない。
「今、皆さんは?」
「俺らももう三十歳だろ、解散して仕事してるよ」
「そっかあ」
歌声は知らないが、歌詞は見せてくれたことがあった。贔屓ではなく、心からその歌詞に胸を打たれたのだけれど、メジャーデビューは出来なかったみたい。
「そうだ、俺をアクセサリーのように横に付けておきたいんだって言ってたな」
歩きながら、ふふ、と笑っている。何のことか分からなかったが、ああ、とすぐにある話を思い出した。
「すぐ着いてくる女が多いって言ってたね、それで私が」
「そうそう、とんでもないこと言うよな。でもその通りだと思ったよ」
バンド仲間の付き添いで来てみたが、ナンパした女の子がすぐ着いてくるって苦言を呈していた。
そんな風に私は毒づいてたのかと思うと、可笑しくて笑った。何としても他の女性と違うところを見せつけたかった自分の浅はかさが透けて見えて。
「今、皆さんは?」
「俺らももう三十歳だろ、解散して仕事してるよ」
「そっかあ」
歌声は知らないが、歌詞は見せてくれたことがあった。贔屓ではなく、心からその歌詞に胸を打たれたのだけれど、メジャーデビューは出来なかったみたい。
「そうだ、俺をアクセサリーのように横に付けておきたいんだって言ってたな」
歩きながら、ふふ、と笑っている。何のことか分からなかったが、ああ、とすぐにある話を思い出した。
「すぐ着いてくる女が多いって言ってたね、それで私が」
「そうそう、とんでもないこと言うよな。でもその通りだと思ったよ」
バンド仲間の付き添いで来てみたが、ナンパした女の子がすぐ着いてくるって苦言を呈していた。
そんな風に私は毒づいてたのかと思うと、可笑しくて笑った。何としても他の女性と違うところを見せつけたかった自分の浅はかさが透けて見えて。