ランチは母特製のカレーとサラダ。一口サイズの鶏肉とみじん切りにしたリンゴと玉ねぎを煮込んでちょっとだけバターを入れたカレーは絶品。二人共舌鼓を打っていた。
「「うわ~!美味しい!」」
「でしょう?!甘酸っぱくて辛くて美味しいよね!」
「「うん!!」」
麦茶も美味しかったようで、二人共2杯3杯とお代わりする。
沢山作っておいてよかった!食後はアイスで口直し。
お腹いっぱいになった私達はおしゃべりが止まらなかった。
「え、瑠衣さん、辛かったね・・・。」
今、瑠衣が過去に親から受けた仕打ちについて語っていた。
「自分ではそうは思ってなかったけど、あのままだったら心が壊れて、将来に夢も希望も無かったと思う。小学校で明日香に助けてもらわなかったら、今頃どうなっていたか分からない・・・。」
「そっか。明日香と出会ったのはラッキーだったね。」
「うん。明日香は私に希望と未来を与えてくれたからホントに感謝しかない。だから私は明日香には幸せでいて欲しいし、私に出来る事は全部するつもりなんだ。」
「瑠衣・・・。」
そんな風に思っていてくれたのかと、胸の奥が熱くなった。
「結芽さんは将来ピアニストになるんですか?」
「うん。出来れば海外留学して腕を磨いて、この作曲家の作品を弾かせたら如月結芽が世界一!って言われたいし、そうなりたいと思ってる。」
「素晴らしいですね。応援します。」
「瑠衣さんの事も明日香から、どんな絵も描ける天才だって聞いてますよ。画家になるの?」
「ありがとうございます。はい。実は今日も描いて持ってきたんです。見ていただけますか?」
「ぜひ!!」
「じゃ、お言葉に甘えて。」そう言って、私に目配せしてから封筒を取り出した。
私はいよいよだ…と、心臓のドキドキが止まらなかった。
封筒から漫画を取り出し、結芽の前に置く。
「漫画?!凄い綺麗な絵だね!」と吃驚していた。
「はい。読んでください。感想は後で受け付けます」
そう言って瑠衣はにこっとほほ笑み、どんなに吃驚しても最後まで読んでから話すから。
と暗に言っていた。
「分かった。なら集中して読むね。」結芽は笑ってそう言った。
だがタイトルをめくって物語を見始めると、段々と驚愕の顔付きになっていった。
途中で何度も私と瑠衣の顔を見つめて何か言おうとしたが、声にならない声が出ただけで、結局
最後まで読んでいた。
読み終えた結芽は衝撃が大き過ぎたらしく、暫く何も話さず遠くを見て何か考え事をしていたようだった。
「結芽?!お~~~い。戻ってきて~!」と、瑠衣と二人で呼んだ。
我に返った結芽は、「これは現実?・・・。ここには何かあると思ってたんだよね。まさか、こんな事が現実だとは思えない。いや、ここはお寺だから在り得るか??」と、独り言ちて、まだ受け入れていないようだった。
その後、水饅頭と冷たい緑茶で落ち着いてもらった。
「この間明日香の家に泊めて貰ったときに私が見たのは旦那さま?!」
「実はそうなの。今まで黙っていてごめんね。普通では考えられない事だから話すのが躊躇われてね。」
「・・・。まだ信じられないんだけど。」
「だよね。私だって、今だにこれは現実かと思う時があるから。」
「・・・。」
「私ね。結芽と友達になれて嬉しかったんだ。結芽と仲良くなればなるほど、私の事をもっと知って欲しいと思ったんだよね。そんな時結芽は鎧武者に取り憑かれて、私に相談してくれた。実はその時にこれはある意味チャンスかもしれないと思ったんだ。」
結芽はやっと納得したように
「そっか。そんな風に思ってくれてありがとう。自惚れでなければ、私を信頼してくれたってことだよね?だとしたら嬉しいし、その信頼に全力で応えたいと思う。改めて宜しくね!」
「!ありがとう!!嬉しい。」
「明日香、良かったね。」と瑠衣もほほ笑んだ。
「それにしても、旦那様カッコいい!」
気持ちを切り替えた結芽の第一声はこれだった。
「あ、あ、ありがと。」
「明日香。良かったな。」そう言って、突然颯さんが私達のところに来てくれた。
「「「!!!!」」」
思いがけず颯さんが入ってきてプチパニックを起こしてしまった。
「は、は、は、初めまして。き、き、き、如月結芽です。本日はお日柄も良く!!」
「あ! お・・久しぶりですね!!えっとぉ。ハハハ!!」
「え!あ、お、お帰りはあちらです!」
と、三者三様の反応をした。
ぷっ!!!と吹いて肩を揺らし、悪戯が成功した子供のような顔で
「ごゆっくり。何なら泊って行って?!」
と宣った颯さんは颯爽と去っていったのだった。
「「うわ~!美味しい!」」
「でしょう?!甘酸っぱくて辛くて美味しいよね!」
「「うん!!」」
麦茶も美味しかったようで、二人共2杯3杯とお代わりする。
沢山作っておいてよかった!食後はアイスで口直し。
お腹いっぱいになった私達はおしゃべりが止まらなかった。
「え、瑠衣さん、辛かったね・・・。」
今、瑠衣が過去に親から受けた仕打ちについて語っていた。
「自分ではそうは思ってなかったけど、あのままだったら心が壊れて、将来に夢も希望も無かったと思う。小学校で明日香に助けてもらわなかったら、今頃どうなっていたか分からない・・・。」
「そっか。明日香と出会ったのはラッキーだったね。」
「うん。明日香は私に希望と未来を与えてくれたからホントに感謝しかない。だから私は明日香には幸せでいて欲しいし、私に出来る事は全部するつもりなんだ。」
「瑠衣・・・。」
そんな風に思っていてくれたのかと、胸の奥が熱くなった。
「結芽さんは将来ピアニストになるんですか?」
「うん。出来れば海外留学して腕を磨いて、この作曲家の作品を弾かせたら如月結芽が世界一!って言われたいし、そうなりたいと思ってる。」
「素晴らしいですね。応援します。」
「瑠衣さんの事も明日香から、どんな絵も描ける天才だって聞いてますよ。画家になるの?」
「ありがとうございます。はい。実は今日も描いて持ってきたんです。見ていただけますか?」
「ぜひ!!」
「じゃ、お言葉に甘えて。」そう言って、私に目配せしてから封筒を取り出した。
私はいよいよだ…と、心臓のドキドキが止まらなかった。
封筒から漫画を取り出し、結芽の前に置く。
「漫画?!凄い綺麗な絵だね!」と吃驚していた。
「はい。読んでください。感想は後で受け付けます」
そう言って瑠衣はにこっとほほ笑み、どんなに吃驚しても最後まで読んでから話すから。
と暗に言っていた。
「分かった。なら集中して読むね。」結芽は笑ってそう言った。
だがタイトルをめくって物語を見始めると、段々と驚愕の顔付きになっていった。
途中で何度も私と瑠衣の顔を見つめて何か言おうとしたが、声にならない声が出ただけで、結局
最後まで読んでいた。
読み終えた結芽は衝撃が大き過ぎたらしく、暫く何も話さず遠くを見て何か考え事をしていたようだった。
「結芽?!お~~~い。戻ってきて~!」と、瑠衣と二人で呼んだ。
我に返った結芽は、「これは現実?・・・。ここには何かあると思ってたんだよね。まさか、こんな事が現実だとは思えない。いや、ここはお寺だから在り得るか??」と、独り言ちて、まだ受け入れていないようだった。
その後、水饅頭と冷たい緑茶で落ち着いてもらった。
「この間明日香の家に泊めて貰ったときに私が見たのは旦那さま?!」
「実はそうなの。今まで黙っていてごめんね。普通では考えられない事だから話すのが躊躇われてね。」
「・・・。まだ信じられないんだけど。」
「だよね。私だって、今だにこれは現実かと思う時があるから。」
「・・・。」
「私ね。結芽と友達になれて嬉しかったんだ。結芽と仲良くなればなるほど、私の事をもっと知って欲しいと思ったんだよね。そんな時結芽は鎧武者に取り憑かれて、私に相談してくれた。実はその時にこれはある意味チャンスかもしれないと思ったんだ。」
結芽はやっと納得したように
「そっか。そんな風に思ってくれてありがとう。自惚れでなければ、私を信頼してくれたってことだよね?だとしたら嬉しいし、その信頼に全力で応えたいと思う。改めて宜しくね!」
「!ありがとう!!嬉しい。」
「明日香、良かったね。」と瑠衣もほほ笑んだ。
「それにしても、旦那様カッコいい!」
気持ちを切り替えた結芽の第一声はこれだった。
「あ、あ、ありがと。」
「明日香。良かったな。」そう言って、突然颯さんが私達のところに来てくれた。
「「「!!!!」」」
思いがけず颯さんが入ってきてプチパニックを起こしてしまった。
「は、は、は、初めまして。き、き、き、如月結芽です。本日はお日柄も良く!!」
「あ! お・・久しぶりですね!!えっとぉ。ハハハ!!」
「え!あ、お、お帰りはあちらです!」
と、三者三様の反応をした。
ぷっ!!!と吹いて肩を揺らし、悪戯が成功した子供のような顔で
「ごゆっくり。何なら泊って行って?!」
と宣った颯さんは颯爽と去っていったのだった。