「嫌な予感がすることを虫の知らせって言うじゃない?嫌な予感がするときって、心臓がドキドキするでしょ?それはね、人間は心臓の中に虫を飼ってるからなんだよ。
あるところに、とーっても臆病な男の人がいたの。ああ、怪我をする予感がする。僕のお父さんが死んでしまう気がする。明日はきっと地震が起こる。世界のどこかで落石事故が起こる。そんな感じで、どんどん自分と関係ないことまで予知しちゃうようになったんだって。
知ってる?世界では1日に10万人以上の人が死んでるの。だからね、それを全部知らせようとしたら虫さんはいったい何匹必要なんだろう?
「知らないあの子が死んじゃうよ」「どこかの誰かが怪我するよ」
虫さんは男の心臓を埋め尽くして、そして、ついに心臓を破りました。男の体中から虫がでてきて、それは地球の空を覆うのでした」