どこにいても、何をしていても、いつもどこか息苦しい──こんな自分のことが大嫌いだ。


周りの顔色をうかがい、常に直前の自分の行動を後悔し続ける。

多分この先ずっと、そんな人生だ。









「う、わまた陰気な顔してる」

「え、私そんな頻繁に…てゆーか今そんな暗い顔してた?」


陽気な幼馴染に話しかけられて、慌てていつもの笑顔を繕う。

「うん、たまーにだけど感情が無になってる」

「えーマジかぁ…気をつけるね」

「いや、俺だから分かるだけでそのままでいんじゃね」

小さい頃から一緒に過ごしてきた幼馴染、(つばさ)の前でさえも繕うようになったのはいつからだろう。

「そっかぁ、ね次の授業何?」

「いい加減時間割覚えたら?」

「え〜、めんどいんだもん」

うそ。

ほんとは覚えてる。

本当は、嫌われないように、愛されるように、いつも聞いてるって翼が知ったら

どんな反応をするんだろう。



「自分で思い出せよ」

「ん〜、体育?」

「ちげぇよ、体育好きすぎだろお前
 次数A」

「ぅげ、嫌だなぁ」

「そんな毛嫌いしてると成績落ちまくるぞ
 今回はもう考査前に特訓とかしないぞ?」

「えええ、お願いします神様翼様、数学教えて下さい…」