ビビーーーーー!!!

 81対80。

 得点板へ最後に記されたのは、俺等の勝利を告げるスコア。

 未だにネットは揺れている。
 未だにボールは転がっている。

 獅子奮迅(ししふんじん)した俺等へもたらされた勝ちだから奇跡という言葉は使いたくないけれど、でも、だけどやっぱりところどころにミラクルはあったと思う。

 たった1点、されど1点。
 この1点で白星か黒星かが分かれるなんて、本当、勝負の世界は酷なものだ。

 センターラインを挟み「ありがとうございました!」と頭を下げたら、俺は面前にいる4を背負った泣きべそをかく男と抱き合った。

 お前の名前も顔も俺は一生忘れない。俺はお前とやれてよかった。いつかまたどこかで会えた時は、お互いもっと強くなってよーぜ。

 なんて、そんな言葉を彼に贈った。