僕はタイミングが良いと思って新城へ話を切り出す。
「ここがなんなのか、それはこの奥に答えがあるだろう。だが、その過程をいくつかすっ飛ばしているから話しておくか」
「過程?」
「この屋敷は遺言で増築を繰り返しているという話だが、元の屋敷は何階建てでどんなものだったか聞いているか?」
僕と瀬戸さんは首を振る。
「元がどんなものか知らない。そして不気味に増築を重ねた屋敷。お前達は外から見た時のイメージが頭に焼き付いていた事からこの術はスタートしている」
「術っていうけれど……本当にそうなの?」
「拙者と新城殿はここへ来る前に屋敷の見取り図等を調べた……元々の資料」
柳生さんが僕達に古い紙を見せる。
「元々の資料を見つけるのに苦労はしたが、本来存在した屋敷は一階建て」
「え!?」
「嘘!?」
「落ち着け、まだ続きがある」
トントンと新城が屋敷のある部分を指す。
「この屋敷は地下室がある」
「地下室?」
盲点だった。
新城の指摘がなければぐるぐると屋敷内を走り回っていた。
「人のみた印象やこの建物の特徴を的確に突いた術だ。コレを考えた奴は恐ろしく頭が回るだろうな。そして」
「そして?」
「いや、いい」
首を振って新城は歩き出す。
その後に柳生さん、僕、瀬戸さんという順番で通路を歩いていく。
通路を進むだけというのに肌寒さで体が凍りそうになる。
「何なの、ここ」
「この先にいる奴が原因だ」
新城の言葉に尋ねようとした時だ。
「おやおや、困りますねぇ」
立ち止まった新城。
僕らの前に一人の男が立っている。
その人を僕と瀬戸さんは知っていた。
「主の許可なくこの場所に入られては困りますよ」
「ここがなんなのか、それはこの奥に答えがあるだろう。だが、その過程をいくつかすっ飛ばしているから話しておくか」
「過程?」
「この屋敷は遺言で増築を繰り返しているという話だが、元の屋敷は何階建てでどんなものだったか聞いているか?」
僕と瀬戸さんは首を振る。
「元がどんなものか知らない。そして不気味に増築を重ねた屋敷。お前達は外から見た時のイメージが頭に焼き付いていた事からこの術はスタートしている」
「術っていうけれど……本当にそうなの?」
「拙者と新城殿はここへ来る前に屋敷の見取り図等を調べた……元々の資料」
柳生さんが僕達に古い紙を見せる。
「元々の資料を見つけるのに苦労はしたが、本来存在した屋敷は一階建て」
「え!?」
「嘘!?」
「落ち着け、まだ続きがある」
トントンと新城が屋敷のある部分を指す。
「この屋敷は地下室がある」
「地下室?」
盲点だった。
新城の指摘がなければぐるぐると屋敷内を走り回っていた。
「人のみた印象やこの建物の特徴を的確に突いた術だ。コレを考えた奴は恐ろしく頭が回るだろうな。そして」
「そして?」
「いや、いい」
首を振って新城は歩き出す。
その後に柳生さん、僕、瀬戸さんという順番で通路を歩いていく。
通路を進むだけというのに肌寒さで体が凍りそうになる。
「何なの、ここ」
「この先にいる奴が原因だ」
新城の言葉に尋ねようとした時だ。
「おやおや、困りますねぇ」
立ち止まった新城。
僕らの前に一人の男が立っている。
その人を僕と瀬戸さんは知っていた。
「主の許可なくこの場所に入られては困りますよ」