合宿所につくと、海に行くために水着に着替えた。男子は脱いで履いて終わりだが、女子はそうはいかない。女子たちは念入りに日焼け止めを塗るものらしい。ビーチバレーボールや浮き輪に空気を入れながら、女子たちの着替えを待った。
「アレン、空気入れておいてくれたんだね。ありがとう」
去年と違う水着を着た千尋に声をかけられた。持っていたボールを手渡す。千尋の日焼け止めは香料が入っていたのか、ほんのりキウイフルーツの香りがした。塗りたての日焼け止めの匂いに眩暈がしそうになったことに、少し罪悪感を覚えた。
――白い猫って4匹に1匹がオッドアイなんだって。
千尋の白い肌を見ると、さっきの台詞がリフレインした。海辺ではしゃぐ高い声と、脳内に響く甘い声が混ざって、音の波に酔いそうになった。
「アレン、空気入れておいてくれたんだね。ありがとう」
去年と違う水着を着た千尋に声をかけられた。持っていたボールを手渡す。千尋の日焼け止めは香料が入っていたのか、ほんのりキウイフルーツの香りがした。塗りたての日焼け止めの匂いに眩暈がしそうになったことに、少し罪悪感を覚えた。
――白い猫って4匹に1匹がオッドアイなんだって。
千尋の白い肌を見ると、さっきの台詞がリフレインした。海辺ではしゃぐ高い声と、脳内に響く甘い声が混ざって、音の波に酔いそうになった。