……
「はやくね、もう録んの」
「この気持ちのまま録りたいかなって」
確かに、そうかもしれないけど
「「心の準備が」」
はるとハモったことにびっくりする。
「発声練習してたからやる気満々じゃないの?」
「いや、録るならちゃんとやりたいし」
どうやら、ゆうやの独断らしい。
まぁでも、この気持ちのまま、
この思いを載せた歌にできるなら今歌うほうが良いだろう。
そう思って俺も発声練習を始める。
からだの底からわくわくした。
ヘッドホンから流れてくるキーボードやギターの音にのせて
言葉を紡ぐ。
言葉を紡ぐたび、聴いてくれるリスナーへの想いが膨らんでいく。
そんな想いを乗せて、歌いきった。
3人とも、歌い終わったときには目に涙が浮かんでいた。