朝、学校に行くと一番に担任の先生に声を掛けられた。


「封筒、渡してくれたか?」
「はい、渡しましたよ」
「ありがとな、これから宜しくな」


 そう言って、先生はすぐに去っていった。
 先生は遙華が季節消失病だっていうこと、知ってるのか?
 まぁ、流石の遙華も先生には病気のことは伝えてあるか。


 学校はいつも息がしづらい。
 教室のわいわいとした雰囲気が逆に俺を不快にさせた。
 誰かの笑う声、ヒソヒソと話す影、たまにチラチラと交わされる視線。
 学校の中では全てが俺にとっては怖い対象だ。
 今すぐ、どこかに隠れてしまいたい。
 この青春という文字が逆に俺を追い詰めていた。


 でも、遙華はこういうものに憧れていたのだろうか?


 みんなが当たり前のように出来ている青春に――。