時のめぐりは早いもので、二人が出会ってから2カ月が経とうとしていた。

「ミー!」
「ミーちゃん、今日も幸せそうですね」
「ミーのやつ、三郎と四郎が寝てるとこをアタシと遊んで―って起こしに行くんだよ。二人ともすっげー迷惑そうな顔すんの」

 PM4:20 

 小野寺家の庭先で、あやめと小野寺は並んで縁側に腰掛けていた。
 二人は学校帰りにこうして小野寺の家に来て、庭の木陰で涼む三匹の猫を眺めるのが日課になっていた。
 夏本番の7月、じりじりと太陽の日差しが照り付ける中、途中のコンビニで買ったアイスを片手に、二人は話に花を咲かせる。

 この日、小野寺は一大決心をしていた。

 アイスを食べ終えて、滲む汗をシャツで拭う。

「あのさ……平塚さん」
「はい、なんでしょう」
「俺って、その……、平塚さんにとってどんな存在なのか、聞いても良い……?」

 顔を真っ赤にした小野寺に見つめられて、あやめは一瞬きょとんとするも、すぐに意図をくみ取ったようだ。


 そして、彼女は清々しいまでの笑顔で言った。


「あ、もう時間です! 小野寺くん、ではまた明日お会いしましょう」



 最後にもう一度言おう。

 平塚あやめはルーティンを重んじる女だということを。