その後、父は捕縛され、今は牢屋の中だ。
少華を虐げていた一族は王都から追い出され、しばらくの間、辺境で厳しい任務に当たっているという。
少華はといえば――。
元々公主だった私だけれど、今は后として、陛下の後宮の中で過ごしている。
美しい襦裙に身を包んだ彼女を、青龍帝は柔らかく抱きしめた。
「ずっとそばにいておくれ、少華」
「はい……」
穏やかな春の木漏れ日の下、不幸だった少女は幸せに包まれたのだった。
***
以降、聖獣・青龍に守られた東華国は、とても優しい帝と后のおかげで、平和な国になったと伝えられている。