「お姉ちゃん、おかえり」
家に帰ると、タオルを首にかけた濡れ髪の月香が出迎えてくれた。二歳年下の私の妹だ。
「月香、もうお風呂入ったの?」
「うん。部活で汗かいてさ。あ、入浴剤なかったからお姉ちゃんの部屋にあったバスボム勝手につかっちゃった」
月香は悪びれもせずニコニコして言った。
この子は昔からこういうところがある。人のものを勝手に使うのだ。しかも、あまりにも笑顔で言うので怒る気すら失せてしまう。
「あのバスボムすごいよかった。肌すべすべになった感じするし、バニラの良い匂いめっちゃした」
「そう……。よかったね」
「でも、バスボムお湯に溶かしたら最後に瓶みたいなの出てきたよ。お姉ちゃんにあげる」
月香は、小さな瓶を私に向かって差し出してきた。
瓶の中には丸められた紙が入っているようだ。
小さな瓶のコルクを開けて、中の手紙を取り出す。
そこに書かれていたのは――。
家に帰ると、タオルを首にかけた濡れ髪の月香が出迎えてくれた。二歳年下の私の妹だ。
「月香、もうお風呂入ったの?」
「うん。部活で汗かいてさ。あ、入浴剤なかったからお姉ちゃんの部屋にあったバスボム勝手につかっちゃった」
月香は悪びれもせずニコニコして言った。
この子は昔からこういうところがある。人のものを勝手に使うのだ。しかも、あまりにも笑顔で言うので怒る気すら失せてしまう。
「あのバスボムすごいよかった。肌すべすべになった感じするし、バニラの良い匂いめっちゃした」
「そう……。よかったね」
「でも、バスボムお湯に溶かしたら最後に瓶みたいなの出てきたよ。お姉ちゃんにあげる」
月香は、小さな瓶を私に向かって差し出してきた。
瓶の中には丸められた紙が入っているようだ。
小さな瓶のコルクを開けて、中の手紙を取り出す。
そこに書かれていたのは――。