あまり遅くなってもいけないし、どれくらい待ったらいいかな。

先帝の像は暴君であったその人の顔を模しているのだろうか。なんとなく不気味な感じがして、少し離れようとした。そのとき。

キイイと入り口の蝶番が悲鳴をあげた。

びっくりして振り返ると、ばたんと扉が閉まった。

「えっ」

今日は風がほとんどなかった。ということは、誰かが外から閉めた?

「ちょっと待って! 開けてくださーい!」

取っ手を引っ張っても押しても、扉はびくともしない。

こちらは提灯を持っていたのだから、外からでも私がいたのは見えたはずだ。

「閉じ込めたな!」

誰かが故意に、私をここに閉じ込めた。

提灯の中の蝋燭が燃え尽きれば、ここは真っ暗闇になる。

やだよう。怖いじゃないか。

しばらく扉を叩いたり押したりしてみたが、やっぱり開かない。

「いったい誰がこんなことを……」

宦官の誰かが、私に嫉妬して嫌がらせをしようとしたのかな。

「もう、主上のせいじゃないか」