どうして父も母も、あんなに残虐に殺されなくてはならなかった。

私は仙女の助言に従い、晋耕についていくことにした。

「あいつ……なにを考えているんだ」

長い話を聞き終えた皇帝は、頭を押さえている。

「どういうことですか?」

「余はたしかに、あいつにそなたの探索と保護を命じた。しかし、宦官にせよとは言っていない」

「えっ!」

今度は私が驚く番だった。

晋耕が言っていた「高貴な御方」が、まさか皇帝のことだったとは。

てっきり、父が生前お世話になった高官の誰かだと思っていた。

「仙女に預けたまではいい。どうしてわざわざ後宮に招いた」

「さあ……少監は刺激を求める性質なので」

おそらく、私が後宮にいたら面白いことがあると思ったのではないか。

ふざけてはいない。本当にそう思う。晋耕は変わっている。

「余に復讐するため、そなたは後宮に来たのか?」

どこか寂しそうな声音で皇帝が問う。

私は顔を上げ、彼の目を見返した。

「いいえ、いいえ。真実を知るためです」