得意げに他の妃を見渡す徐貴妃。彼女が四妃の中で一番位が高い。

きりっと跳ね上がった妖艶な目に、豪華な刺繍がされた衣装。首がもげそうなくらいたくさんつけられた髪飾り。重そうな扇。誰よりも華美な装いだ。

たしか、身分の高い家のお嬢さんだったのよね。そりゃ自信もあるわけだ。

「まあまあ。あの子がそんなことを」

皇后の目がうれしそうに輝く。

「わたくしもいただきましたわ」

「わたくしだって」

徐貴妃に負けじと、同じ四妃の淑妃、徳妃、賢妃が私も私もと声をあげる。

うん、そうだよね。位の高い人から順番に書いて、昨日までに四妃に一通ずつ送った。

「素晴らしい詩に心を打たれました」

「お心遣いに涙が出そうでしたわ」

頬を赤く染めて語る四妃を、九嬪のみなさまがじとっとにらんでいる。

徐貴妃も「お前らももらったのか」と舌打ちせんばかりの顔をしていた。

あわわあ、これはいけない。ひとりひとりには喜んでもらえても、結局角が立つのか。