私の極秘任務は、概ね順調に進んでいる。
皇帝に仕事を頼まれた翌日から朝の朝礼に来ることを許され、皇太后の前にお妃さまたちが跪くのを間近で見ることができた。
他の宦官と一緒に壁に貼りつき、美姫たちの顔と名前を覚える。
「悪いわねえ、毎日集まってもらって。この朝礼もやめにしましょうか」
皇太后はまだ四十代で、ふっくらした顔の若々しい女性だ。
威圧感はまったくなく、この人があの暴君の妻だったなんて信じられない。
彼女は集まった美姫たちにすまなさそうに言った。
「申し送ることがあるときだけ招集する方が、みんなも気楽じゃなくて?」
自分の息子がまだ誰にも手をつけていないのを申し訳なく思うのだろう。
しかし、一番年上の徐貴妃が誇らしげに言った。
「皇太后さま、これからも毎日で構いませんわ。主上もやっと私たちに目を向けてくださったようですし」
「そうなの?」
「わたくし、主上から文をいただきましたの。『忙しくてなかなか会えないけど、いつも君のことを想っている』と書いてくださいましたわ」