偽りの妃である玲燕が寝所に召し上げられることはない。しかし、今それを明かすことはできないので、玲燕は内心で苦笑しつつ無難にそう答えた。

(それにしても、一、二週間に一度か。つまり、ほぼ平等に妃を召しているということね)

 鬼火騒ぎの犯人の目的は、恐らく潤王の失脚させて新たな皇帝を立てることだ。元々玲燕は後宮で寵を得ている四人の妃の関係者は犯人ではないと考えていたが、今の話を聞いてやはり違う可能性が高いと感じた。平等に寵を得ているなら、懐妊する可能性も同じ。まだ誰も懐妊していない以上、次の皇帝の母になれる可能性を秘めているのに、潤王を失脚させる理由がない。

「私はまだここに来て日が浅く蓮妃様以外のお妃様と交流がないのですが、皆様どのようなお方ですか?」
「うーん、わたくしもあまり交流はないの。以前、陛下が妃全員を招いて宴会を開いてくださったことがあったのだけど、そのときに、どちらが先に会場に入るかで梅妃様と蘭妃様が喧嘩になって大変だったの。あんな風に言い合いをする方達を見たのは初めてだったから、近づくのが怖くって」

 それとなく探りを入れると、蓮妃は肩を竦める。