……じゃあ斎月ってなんなんだろう。

先輩が斎月のことを知る日がいつ来ようと、年下であることに変わりはない。

……ショック受けないといいけど。

「頼、あとでカメラ回収するからね」

横の頼にちくりと言う。頼がこっそりカメラを廻していたのは承知だった。

「……はーい」

「やっぱ今寄越しなさい。データ抜き出したでしょ」

頼、無言で懐に入れていたメモリディスクを渡してきた。ほんと隙がないなー。

「よくわかってんね。こっち全然見てないのに」

「お前の謎言動に何年付き合ってると思ってる」

声一つで何かを企んでいるかくらいはわかる。