「………」

「………」

「………」

「……咲桜、だんだん土下座が上手くなっている娘もなかなかいないよ。そんでそんな娘の父親の哀愁もちょっと考えて」

確か今日は、咲桜たちは二年生の始業式だったはず。

玄関で土下座している娘の出迎え方に、相当困った。

「今日はお願いというか、進路相談なんです」

「座りなさい」と告げると、咲桜は場所をリビングに移して、ソファに座りなおした。

ソファの上に正座されて、また困った。なんなんだ、今日は。

「進路相談?」

「うん。――じゃなくて、はい。だから夜々さんにも来てもらいました」

「こんばんわー」

「………」

……軽く額を押さえた。ふつーに登場したよ、この幼馴染は。