遙音先輩の話が深くなる前に、と、いきなり吹雪さんが言った。

「――咲桜ちゃんと二人にしてもらってもいいですか? 夜々子さん」

夜々さんは吹雪に軽く肯いた。「笑満ちゃん、夏島くん」と促して、保健室を出た。

扉の音。残された私と向かい合った吹雪さんは、「僕が」と話し出した。

「マナちゃんのことすきなの、気づいてる?」

「………――そうなんですか⁉」

「………」

私の素っ頓狂な反応に、吹雪さんは毒気が抜かれた瞳になった。

「そう言えば流夜くんも意味深に言ってたし降渡さんは結ばれない人とか――あ、さっきも!」

衛さんに対して、吹雪さんが悲恋確定とか、そんなことを――。