ぼんやり聞こえていた在義父さんの声が聞こえなくなって頭をあげると、肩から何かが滑り落ちた。
毛布だ。自分でかけた覚えはないから父さんか……? やば、寝てた?
机の上の時計を見ると、一月二日の深夜二時。
一日の夜十二時くらいまでは記憶があるんだけど……寝落ちしてたのか。
在義父さんの声も夢か現実かわからないけど、マウント取られたの悔しい。
裏切りは在義父さんの名前を知っているからな。
「……さすがに寝よう」
机に突っ伏して寝ると翌日――もう今日だけど――に響く。夜の勉強は終わりにして潔く寝よう。
そろりと部屋を出て、お風呂場へ向かう。シャワーだけ浴びてパジャマに着替え、部屋に戻って寝る準備をする。
枕元に置いたアクセサリートレーを見る。
そこには二つの宝物。
「……うん」
逢いに行くからね。今度は私が捕まえて離してやらないから。
今だけは弱さに目をつむって。
強く、なるんだ。