高校二年の私には、クリスマスもお正月もなかった。あ、ケーキは作った。
それ以外は自分の部屋でひたすら、勉強、勉強、勉強だ。
在義父さんは気分転換とかで外へ連れ出したいようだけど、自分は流夜くんと会っている後ろめたさからか、私に強く出られないでいる。くそう! 警察め! 堂々と流夜くんと会いやがって!
警察の協力者ではあるけど、斎月は私側にいてくれる。
私が本気で詰まりに詰まってどうしようもなくなったとき、こそっと流夜くんの情報をくれるんだ。たまに写真もくれる。神かよ。女神かよ。一生崇め奉るよ。隠し撮りだけど。
そんな応援も受けて、勉強……がんばらな……
「咲桜―……寝ちゃってるか」
うん……? 遠くで在義父さんの声がする……この、流夜くんに逢いたいときに逢える裏切者め……。
「お正月も頑張ってるね。……そんなに流夜くんに逢いたい?」
当たり前じゃろう。私の大好きな人ぞ……。
「……流夜くんなら構わないって、本気で思ったんだけどな……」
じゃあなんで度々邪魔した……。
「まあ、無理しない程度に頑張りなさい。逢いたくてしょうがないのはあっちも同じだから」
だからいちいち近況知ってますよマウント取るんじゃないこの親父は……。
――――……うん?