消えることのない過去があるから、今がある。

私はそう思っている。

そして、今があるから明日がある。

どんなに切なくて苦しくて、消したい過去も、それがあるから裕ちゃんと出逢えたんだ。

裕ちゃんと出逢うために私は、必死にもがいて生きてきたんだ。

それが生きるってこと。


私は今、裕ちゃんのお嫁さんとして幸せに暮らしている。

……そういや、あいつは今頃どうしているかな。

あいつだけじゃなくて、顔も思いだせない彼らも、今頃どうしてるのかな。

ふと思いだすだけで、私の頭から消したくなるくらいの黒い過去。


でも、ひとつだけ言えるのは、『私が世界で一番幸せだ』ってこと。

そりゃ、幸せなんて人と比べるものじゃないけどね。

でも、自分が自分のことを愛することが出来て、そんな私を愛してくれる人がいたら、それは間違いなく『幸せ』なんだって思う。