「ど、どこいくのっ?」



私はお母さんの突然の行動に恐怖を隠せなかった。


見捨てられる。

幻滅された。

お母さんは私のことを嫌いになった。


そう思ったのは束の間で。



「保健所、行くんでしょ?」



涙ぐみながら微笑むお母さんの姿は、どこかやつれていて、でも心強かった。

私は何度も頷き、立ち上がる。

自分の部屋からコートを持ってきて羽織った。



「待って。……ほら、寒いから」



お母さんはそう言って、私の首に淡い水色のマフラーを巻いた。

そのまま、私を思いきり引き寄せ、抱きしめたお母さん。

腕の中にすっぽりおさまった私は、お母さんの力強い温もりに、大きな声をあげて泣いた。

子供のようにお母さんの腕の中で、思いきり泣く。



「朱里。話してくれてありがとう……」