画面が明るく光る携帯。

出会い系アプリを起動させた私。

溜まっているメッセージに私は順番に返信をしていった。



『今日会える?』

『暇してるよー』

『今、駅前にいるんだけど会いたいな』



相手のメッセージの内容に適当に合わせて、自分の要求を伝えていく。

さっきの男の関係は終わり。

次に私と関係を持ってくれるのは誰だろう。

形だけの“愛”をほんの数時間だけ注いでくれるのは誰だろう。


そう考えながら、クリスマスツリーの近くにあったベンチに腰掛けた。

静かにベンチに腰掛けていると、携帯を持つ指先があっという間に冷えていく。

ベンチに触れるお尻や脚も冷えていく。


無駄な時間を過ごしているっていうことは分かっていた。

だけど、壊れかけの空っぽの心を、一瞬でもいいから埋めてくれる人を待っている私がいた。