出会い系アプリをやっていたこと。

たくさんの男と体を重ねていたこと。

あいつと出逢って、恋に落ちてしまったこと。

でも、連絡先を切ったこと。

そして、この数日間で性病の可能性も考え、検査が受けられる場所を調べたこと。



「どれだけの男性と性行為したか分からないけど、病気になることは考えなかったの?」

「……考えてたよ。だけど、病気になってもよかった。自分を壊したかった。自分なんてどうでもよかったから……」



病気が感染している可能性はゼロじゃない。

だから、私が人を傷つけている場合もある。

……大好きだったあいつのことも、傷つけていたのかもしれない。

そうなれば、あいつの彼女さんも必然的に傷ついてしまう。

連絡先を消してしまったから、もう手遅れかもしれない。

だけど、もし、これから本当に愛せる人がいて、愛してくれる人が現れた時に傷つけたくないから……。



「そっか」



お母さんは頷いて、立ち上がった。

それから、クローゼットに入っているコートを羽織り、鞄を持つ。