「お母さん、話があるの」



あいつの連絡先を消してから数日後。

私はこたつを挟んで、お母さんと向き合った。

テレビを見ていたお母さんはテレビを消して、私を見る。

ごくっと息をのむ。



「性病の検査、受けたいの。……保健所で、無料で検査してもらえるから予約して。その、今から連れて行って欲しい」



お母さんの目が見開かれる。

娘からこんなことを言われたら、動揺を隠せなくなるのも当たり前だ。

私はお母さんに嫌われてもいい、見捨てられてもいい。

その覚悟の上で言葉を口にした。

だけど、やっぱり、今の私を受け止めて欲しいって思ってしまう自分もいた。



「どうして……。連れて行って欲しいと思うの?」



お母さんは小さなため息と一緒に、言葉を吐き出した。


呆れられたかな。

嫌われたかな。

それでも、私はお母さんを信じて全てを話す。