私たちは他愛もない話をしながら、お昼ご飯を食べていた。

ハンバーグを口に運ぶ私。

私の視線の先には携帯を触りながら、唐揚げを食べている駿さん。


ねえ、私が目の前にいるのになんで携帯なんか触っているの?


ポチポチと何かを打っている駿さんに私は問いかける。



「何してるのーっ?」



出来るだけ明るく、重たい女だと思われないように、軽い感じで聞いてみた。

そんな私を見て駿さんは答える。



「彼女から連絡来ていたから、返してる」



フォークとナイフを握る手に力が入ったのが分かる。

なんで、私といるのに彼女の話なんかするのよ。

なんで、私を見てくれないの。


でも、嫉妬は醜い。

醜い嫉妬を隠すため、私は完壁な笑顔を作った。



「彼女さんって、どんな人?」

「んー? 一途で優しいよ。真面目で落ち着いている雰囲気だよ」



……私だって、一途だよ。

好きな人には優しくするし、これでも中学生のころは“真面目”って言われていたんだから。