そんなことを考えながら、駿さんと街を歩き、デートを楽しむ私。



「お昼は何食べたい?」

「んー。ハンバーグ食べたい!」

「朱里ちゃんは子供みたいだね。……ファミレスでいい?」

「うんっ」



……子供扱いしないでよ。

私は高校生で、駿さんから見たら確かに子供かもしれないけど、ひとりの女性でもあるんだよ。


だから私は誘った。



「ねえ、眠くなっちゃった。……ご飯食べたら、一緒に寝たいな」



腕を絡ませながら、駿さんの耳元でそっと囁く。


ご飯なんていらないよ。

私は駿さんが欲しい。

だから、お願い。

私を見て。



「分かった。ご飯食べたらホテルに行こう」



ピリッと張り詰めた空気感。

いけないことをしているのは分かっていた。

駿さんには婚約者がいて、私はその浮気相手。

彼女さんがこの光景を見たら、どう思うのだろう。


だけど、恋愛はそんな甘くはできていない。

最後に幸せになった人が勝つのだから……。