「でも、普通に遊んだりすることはできるから」



……どういうことなの?

私、振られたんじゃないの?

それなのに会うことはできるの?

友達として?


全然意味が分からないよ……。


涙をこらえるのに必死だった。

そんな私を知ってか知らずか、駿さんは『着いたよ』と一言。



「送ってくれてありがとう。……また連絡するね」



最後、駿さんの顔を見ることが出来ないまま車を降りてしまった。


……顔を見ることなんてできなかった。

なんで。

なんで、なんで。

私は、走り去る車が見えなくなるまで、ぼーっとその場に立っていた。


泣き崩れたい。

だけど、崩れたら立ち上がれなくなってしまう。

だから私は、ふらふらと家まで歩いて帰った。