「私、駿さんのことが好き。今日、出会ったばかりだけど、」

「……」

「その、返事は今すぐじゃなくていいから。これから私のことを好きになってもらえたら嬉しい」



沈黙の時間が流れた。

なんて言われるだろうか。

分からない。

隣でハンドルを握る駿さんの顔が見ることが出来なかった。


……怖い。

気持ちを伝えるって、こんなにも怖くてドキドキすることなんだ……。



「ごめん。気持ちは嬉しいけど、朱里ちゃんを好きになることはない」

「……え」



時間が凍ったかのように止まったかと思った。

体が冷えていく感覚。

なんで。

気持ちが伝えるのが早かったのかな。

泣きそうになるのを必死にこらえる。



「婚約者がいるんだ。結婚を決めている相手がいるから、ごめん」

「……婚約者、」



駿さんには本命の彼女がいるってこと?

駿さんは結婚を控えているってこと?

そういうことなの?