それからはずっと他愛もない話をしていた。


駿さんの趣味はゲームをすること。

私より5歳年上の駿さんは、22歳の社会人だってこと。

仕事はシフト制だから、会える日は仕事が休みの日になってしまうということ。


色んなことを知ることが出来た。

それに、仕事が休みの日は私と会ってくれるんだ……、と思ったら無意識に頬が緩んだ。



「朱里ちゃん。出会い系アプリ、もうやめなよ」

「え?」



唐突な言葉に私はびっくりして声が出せなくなった。

瞬きする私に、駿さんは少し悲しそうな顔を見せる。



「アプリは変な奴も多いし。……誰かと会いたくなったら俺を呼んでよ」

「……っ」

「さっき、休みの日しか会えないって言ったけど、呼んでくれたら仕事終わりとか会いに行くからさ」



私は気が付けば涙を流していた。


ずっと欲しかった言葉。

ずっと、誰かにかけてもらいたかった言葉。

それを駿さんがかけてくれた。


恋に落ちるには充分すぎる言葉だった。