この世の全てに興味がない。

いや、興味がないわけじゃない。

ありとあらゆるものが私を拒絶しているような気がして、だったら私も拒絶してやろうと思った。


デパートなどが立ち並ぶ駅前のクリスマスツリーの前で立ち止まった。

12月の中旬にしては、眩しいほどの日差しが私に降り注いでいたのを覚えている。

冬だからこそ、日差しが鬱陶しいほどに眩しく感じるのか。

分からないけれど、私の心とは裏腹な、不愉快な空模様だった。


当時、私は通信制高校2年生だった。

通信制の高校だから、毎日登校する必要はない。

自分の好きな曜日、時間で登校すればいい。

この自由すぎるシステムを私は利用していた。


立ち止まったクリスマスツリーの前。

私はコートのポケットから二つ折りにされていた紙切れを取り出した。