美蘭に言われてからのこと、自分の気持ちがイマイチわからない。
「恋乃香、こっちへ来てくれ」
「……?はい」
 朝陽様の溺愛は倍増している。
 朝陽様の部屋に入るとすぐに抱き寄せられた。
「え、ちょっ……⁉朝陽様⁉」
「……朝陽と呼んでくれ」
 えぇっ。皇帝を呼び捨て⁉
「でも、それは失礼なのでは……?」
「……その顔はこっちも限界なのでやめてくれ。全く失礼ではない。それと敬語もやめてほしい」
 はぁ……っと朝陽様はため息をついた。
 その顔ってなに?意味がわからない事がたくさん。
「わ、わかったわ。朝陽……」
 さすがに呼ぶのは恥ずかしくて顔が赤くなった。
「ふっ……りんごみたいだな」
「そ、それって褒め言葉なのっ?」
 少しの抵抗として頬をぷくっとさせ、睨んだつもり。
「本当に……恋乃香は僕を堕とすのが得意だね」
「……?」
 よくわからないが朝陽は満足そう。