それからの学校生活はもちろん楽しいことばかりだったが、どこかで怜奈を探している自分がいた。教室はもちろん、部活中も無意識で見ていたなんてことも。付き合っていた時よりも好きになっている気がする。
「宮くん、ここ教えてー」
テストが近いということもあり、放課後に教室で勉強する人が増え始める。家で1人で勉強するよりも集中できるし、分からないところがあればすぐに友達や先生に聞くことができるため以外と残る人が多い。そんな自分も優と残って2人で勉強している。
「あー、ここはね・・・」
どうしても気になってしまう。怜奈が他の男子と話しているのは。
「それにしても本当宮くん頭いいね。首席だから当然か」
「そういう怜奈も割と頭いいでしょ」
「割とって何よ!」
名前呼び...些細なことでも気になって仕方がない。怜奈は友達と勉強していたはずだが、今は宮の隣にいるみたい。
宮は優の部活仲間でたまに3人でお昼を食べることもあるほど仲はまずまず。なにより宮はこの高校を首席で合格し入学式では代表の挨拶をしていた。要するに頭がいい。本当は県内トップレベルの高校にも合格できたらしいが、家から近いこの高校を選んだのだと前に話していた。
そんな2人を遠くからチラチラ見ながら勉強する。当然集中できるわけがない。2人は空人を気にすることもなく楽しげに話し合っている。心がモヤモヤする...
"なんで俺が振ったのにこんなに胸が苦しいんだよ"と心の中で叫ぶ。
"誰にも届きやしない"だが、その声が届いたかのように振り返る怜奈。2人の視線が絡み合うが、そこに笑顔はない。あるのは、この世界には自分と怜奈だけしか存在しないのではないかと思うほどの間。
まるで、世界に取り残されたかのように。
均衡を破ったのは彼女の今にも泣きそうな悲しげな笑みだった。そのまま彼女は宮と再び勉強を始める。何か言いたいけれど言えない、そんな気持ちが込められた表情。
辛い、苦しい、後悔、嫉妬などのマイナスな感情が自分の中で大きく膨れ上がっていくのを感じる。もういっそのことあの2人が付き合えばこの気持ちは消えてなくなるのだろうか。それとも時間が忘れさせてくれるのか。
この頃の空人は時間に身を委ねることしかできなかった。
「宮くん、ここ教えてー」
テストが近いということもあり、放課後に教室で勉強する人が増え始める。家で1人で勉強するよりも集中できるし、分からないところがあればすぐに友達や先生に聞くことができるため以外と残る人が多い。そんな自分も優と残って2人で勉強している。
「あー、ここはね・・・」
どうしても気になってしまう。怜奈が他の男子と話しているのは。
「それにしても本当宮くん頭いいね。首席だから当然か」
「そういう怜奈も割と頭いいでしょ」
「割とって何よ!」
名前呼び...些細なことでも気になって仕方がない。怜奈は友達と勉強していたはずだが、今は宮の隣にいるみたい。
宮は優の部活仲間でたまに3人でお昼を食べることもあるほど仲はまずまず。なにより宮はこの高校を首席で合格し入学式では代表の挨拶をしていた。要するに頭がいい。本当は県内トップレベルの高校にも合格できたらしいが、家から近いこの高校を選んだのだと前に話していた。
そんな2人を遠くからチラチラ見ながら勉強する。当然集中できるわけがない。2人は空人を気にすることもなく楽しげに話し合っている。心がモヤモヤする...
"なんで俺が振ったのにこんなに胸が苦しいんだよ"と心の中で叫ぶ。
"誰にも届きやしない"だが、その声が届いたかのように振り返る怜奈。2人の視線が絡み合うが、そこに笑顔はない。あるのは、この世界には自分と怜奈だけしか存在しないのではないかと思うほどの間。
まるで、世界に取り残されたかのように。
均衡を破ったのは彼女の今にも泣きそうな悲しげな笑みだった。そのまま彼女は宮と再び勉強を始める。何か言いたいけれど言えない、そんな気持ちが込められた表情。
辛い、苦しい、後悔、嫉妬などのマイナスな感情が自分の中で大きく膨れ上がっていくのを感じる。もういっそのことあの2人が付き合えばこの気持ちは消えてなくなるのだろうか。それとも時間が忘れさせてくれるのか。
この頃の空人は時間に身を委ねることしかできなかった。