「ああ……」
笑満が言ったこと、気にしていたんだ。
「大体この歳になって言葉遣い直せって言われてもなー」
「先生のときは丁寧に喋ってるよね? それとは違うの?」
「あんなん当たり障りないように演技入ってるだろ。咲桜にまでそうしろって?」
「いやいいです。ってか近いです」
「在義さんまだだろ? 大丈夫」
「なにがっ」
「さてな?」
「~~~」
かわされた、というよりはいいように遊ばれている気がしますが。
+
「あの……」
「ん?」
「そっち向いちゃ駄目ですか?」
「いいけど? 逃げないなら」
「……ごめんなさい」
私が折れた。
夕飯を終えて、流夜くんにとっつかまった。
抱きかかえられてソファへ一直線。混乱している間にいつものごとく抱えられて座る格好。うちだと無性に恥ずかしさが増すのはなんでだ。
「大丈夫なの? 吹雪さんのとこ……」
「切羽詰ったことはないからな、今は。在義さんが帰って来るまではいるつもり」
いつものごとく横抱きにされているので、真正面から流夜くんを見ているわけではない。見たいけど見たら自分ツブれるのわかっているので目線は彷徨う。
流夜くんはそれも心得て――計算済みで――いるのか、終始楽しそうだ。
「……私がもっと小さかったらよかったのに……」