でも、そんな私の夢は赤く色づいた紅葉とともに落ちてしまった。

冬ごろに耳に入ったある噂は、私の心に消えない傷を残していった。

「川村、香織と付き合ってるんだって」

何気ない女子の噂話だが、その一言に目の前が真っ黒になったのを今でも覚えている。

川村に彼女がいる。

嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ

ねえ、なんで?

私のことが好きだったんじゃないの?

それとも、香織の話が嘘なのかな?

当時は、いろんな考えが私の脳内を目まぐるしく駆け巡った。