6年になって、初めて川村とクラスが離れた。

これまで、神様がくっつけてくれていると本気で思っていた。

ついに神様にも見放されたかと、本当に落ち込んだ記憶がある。

ある日、若菜が教えてくれた。

「川村と香織別れたんだって」

その言葉は、透き通るように私の中にスッと入ってきた。

「でね、香織の方が復縁求めてるらしいよ」

この一言で、香織は振られたんだと分かった。

こう思うのは最低なのかもしれないけど、うれしかった。

「玲チャンスじゃん」

若菜はそう言ってくれた。

この時、私はなぜか強がってしまった。

「もう、好きじゃないから」

若菜にはばれそうだったけど、嘘をついてしまった。

何でかはわからなかった。

でも、今思うに、きっと恥ずかしかったんだ。

同じ人を6年間思っている人なんてなかなかに珍しかったから。