「どうせ明日からまた、私たちの方にも巻き込んじゃうからさ。笑満も頼も。だから今日は遙音先輩のことだけ考えててよ。じゃないと私が遙音先輩に妬かれちゃうから」

『そんなこと――』

「あるの。だから、どうしても二人の友達やめる気だけはないから、今日は遙音先輩のことだけ考えてみてよ」

『……うん』

「うん。ちなみに、何か進展あったら絶対話してよ? 私、自分のこと開けっ広げに話し過ぎたって後悔してんだから……」

自分の感情に疎かったとはいえ、笑満には本当に、隠してあることが一つもない気がする。龍生さんのところだって連れて行ってしまったし。

『う……わかった』

「話さなかったら遙音先輩に聞いて笑満のこといじめるから」

『は、話します! 咲桜には全部話すから! くそー、咲桜なんか変な方向に強くなったよね』

「あはは」

『それが神宮――流夜くんのおかげだつったらあたし流夜くんのこと赦せなくなるからね』

「なんで?」

『だって――そもそもあたしだって直に聞いたことないこと流夜くんには話したじゃん咲桜のバカー!』

「う……」

泣き出されてしまった。笑満の言葉が半ばガチなのがわかるので言い返せない……。

「ごめんって」

『謝ってもあたしの心は癒されないよ』

ぷーん、とそっぽを向いているのが目に浮かぶようだ。電話相手だからそんな行動には意味ないけど。