「……咲桜ちゃん、俺らが言うのも難だけど、俺らの中で今も解決してないの、りゅうだけなんだよ。だから、こう言うのも変かもしんないけど――りゅうと一緒にいるんだったら、りゅうを支えられる人じゃないと駄目なんだ。すきだから護ってもいたい、なんて思いだけだったら……りゅうは重い」

「あ、雲居、その点は大丈夫だ」

ふと、先輩が声を飛ばして来た。

「咲桜、十分に神宮のこと護ってるよ。もしかしたらお前らよりも」

……先日の頼の件を知っている先輩はにはっきりそう言った。……あのとき私は、護れていたのかな?

「そーなん?」

「そうだよ。俺は、神宮の女に咲桜は値すると思う」

「珍しーな。お前がそんな肯定的なこと言うなんて」

「てかもー神宮がマジ惚れ過ぎてて文句つけようがねーんだよ。咲桜ってそこいらの野郎よりカッコいいし」

「へー。……咲桜ちゃん、言ってもいい?」

「はい?」

少し思考に沈みかけていた私の意識が現実に戻る。吹雪さんと降渡さんは真剣な顔だった。

「りゅうをよろしく」

「頓珍漢で面倒だろうけど、見捨てないでやってね」

「も、勿論ですっ」

見捨てるなんてありえない。

……また一つ、流夜くんの傍をゆるされた心地になる。

そして、申し訳ないけど頓珍漢は否定できなかった……。

「ねえ笑満ちゃん、学校でのりゅうってどんな感じなの?」