「………」

「咲桜が淋しさ爆発させると被害がでかいわ。遙音くんに言って、流夜くんに注意してもらうかな」

「ちょ、だから笑満そういうこと――

「あんたたちに」

笑満はビシッと私の額に指を突きつけた。

「……あんたたちに、幸せにしていてほしいって思ってる人間、結構いるんだよ」

「―――」

指をおろし、私の両手を掬い取る笑満。

「あたしは咲桜側の筆頭。遙音くんは流夜くん側の筆頭だよ。……十分過ぎるほど悲しいこととか苦しいこと、あったんでしょ。二人の今までには。だから、せめてこれからは幸せでいてよ」