自分の教室で机に腕をついて、冷や汗を流していた。
昼頃通った職員室前の掲示板に張ってあった用紙を見て血の気が引く思いがした。
マジかよ……あいつがここに来んのは当然っちゃ当然なんだけど……神宮のいる今来るなよ……。その思いしかない。
宮寺琉奏。かつての藤城主席の生徒。俺も面識があった。
「はーるおと。どうしたー、頭抱えて」
様子のおかしい俺に声をかけてきた友人は、明るく背中をバシバシ叩いてきた。
「あー。ちょっとトラブル発生で気落ちしてた」
「え? 何かあったのか?」
「んー……昔の因縁があるんだよなー……」
宮司と――特に、神宮。そして雲居が。
……春芽に話してみるか……。
俺は自身の行動に制限をかけていないから、《白》へも気軽に出入りしている。
と言うか、施設を家出同然に出てからは二宮さんに世話になっていたわけだから、《白》は俺にとったら実家みたいな感覚だったりする。
本当の実家には、近づけもしないけど。
そして春芽こそ当事者――宮寺と神宮たちの因縁の、原因の一端を担うのだけど、何事においても傍観者の位置でいられる器用な奴だ。
……宮寺が来ていること、報告の意味も含めて話しておいてもいいだろう。
まー春芽に話したとこで解決はしねーんだけどな。
と言うか、春芽は本当に傍観者を決め込んでいるのから、春芽に相談をして解決に持って行く意図を持っているだけでアホらしい。
どれだけあいつが当事者でいようと。