「痴話喧嘩もいいとこなんだ、あいつらは揃って。……言っておくけど、あいつらの喧嘩に、俺が関わってはいないからな? ゆるされてはないけど、一応謝って解決してるから」

「………」

こくりと肯いた。……流夜くんは、隠していることはあっても、嘘は言わない。

「あの……今更なんだけど、私、吹雪さんから美流子さんのこと聞いちゃって……ごめんなさい」

「何がだ? 謝る事ないだろ」

「いや、ああいう大事なことって、流夜くんが話してくれるまで待つべきだったって、思って……」

「ああ……そういう。心配すんな。あいつらの口から出る俺のことは、俺が話すのを許したと同義だ」

「……そう、なの?」

「そうなんだ。てか、むしろお互いの話に関しての方がガード固くなるから、俺が話した、より、あいつらが話した方が、俺に信頼されてると思っていい」

「……いつも思うけど、三人てすごいよね。こう、通じ合ってる感が」

わかりあってる感っていうか。私が言うと、流夜くんは嫌そうな顔をした。

「気味悪い言い方はするな。仕方ないだろ、ほかに近い年頃がいない環境で育ったんだ。普通の友人感覚は、それこそわからん。だから――吹雪や降渡に、俺の話たくさんしてもらえるようになれ」

くしゃくしゃと髪を撫でまわされた。

大きな手は、いつだって優しい。

……絶対にそうなると、決めた。