流夜くんといるととてもドキドキするのに、安心感まで広がっていくのはなんでだろう。
ずーっと一緒にいたいって、思うから……その先に結婚っていう道が、あるのかな……。
一生の約束が。
ヴー、と、机の上に放られた流夜くんのスマホが鳴った。
びくりとして離れかけたけど、流夜くんがそれをゆるさない。
「あの、電話……」
「んー」
「お、お仕事関係だったらどうするの」
「ん~、咲桜のがいいな」
「だ、ダメでしょう色々!」
なんとか腕を延ばしてスマホを取って流夜くんに押し付ける。
流夜くんはあからさまに舌打ちして受け取った。ちょっと。
「………」
そして停止した。
「……ごめん咲桜、無視出来ない筋からの電話だ」
「う、うん?」
勿論、まさか自分といるからなんて理由で無視してほしくはない。
大事な用だったらどうする。流夜くんは空いている腕で私を抱き寄せたまま出た。
「はい。……学校だけど、…………またやってんのかあいつら……ああ、……今すぐ、ですか……。わかった、わかりました。だから在義さんには言わないでくれ」
謎のシメで通話が終わった。
「? 父さんがどうかしたの?」
「いや、龍さんとこに降渡と……絆が来て喧嘩してるから回収に来いとのことだ」
「けんか⁉ 龍生さんにも止めらんないの⁉」
「龍さん、あいつらに関しては傍観者決め込んでるから……。てことで、咲桜送ってく前に《白》に寄っても構わないか?」
「いやいやいや! 私一人でも帰れるから早く龍生さんとこ――」
「馬鹿共の痴話喧嘩のためにお前一人にするわけないだろう。昏くなれば色々と危ないし」
「ばかどもって……」
言いぐさが……。