――その相棒とはあの幼馴染たちのことなのだろうかと考えながらいると、重力が一気におかしくなった。
「わきゃっ?」
流夜くんに抱き上げられて、思わずしがみついた。流夜くんは嬉しそうにくすりと笑う。
「さっきの件、疲れてんのはほんとだから」
「え? はい」
「少し傍にいてくれ」
「………どうぞ」
何かと私にくっつく流夜くん。実のとこ私も、一番近くと感じられるので嬉しい。
椅子に座った流夜に横抱きにされて、ぐるっと廻された腕の中。うあ~相変わらず心臓に悪いな~。流夜くんは静かに私の髪を撫でている。
「咲桜が――言ってくれてよかった。俺一人だったら宮寺に歯止めかけれなかった」
ちゅ、と髪や額や頬や、私が震えるのも構わずにキスしまくってくる。恥ずかしさから「うう~」とうなると、流夜くんは楽しそうに笑った。
「でも……私が、その……すきですって言っちゃったから……流夜くん出て来ざるをえなくしてしまったんじゃ……」
「いや、今日には咲桜と付き合ってること、言うつもりだったから」
「そだったの?」
「ああ。心配かけたくなかったから、宮寺とタイマンで話つけようと思ってたんだけど……それでいってたら、失敗してたな」
「なんで――
「言ってたろ? あいつ。俺一人の問題だったら追い詰めてた、て。咲桜が声にして言ってくれたから、宮寺は秘密にする側についてくれたんだよ。……俺は咲桜のこと、何からも護る気持ちでいるけど、この関係だけはな、俺一人じゃ護り切れない。だから、今日はありがとう」
「………はい」
ぎゅうっと抱き付くと、流夜くんは優しく受け止めてくれた。