「………~~~⁉」

見られてた⁉ いつ、――どこで⁉ いやそんなことよりも!

「宮寺! それはっ

「いや、別に申し開きを聞きたいわけじゃないんだ。ただ――今度は誠実に付き合えよって言いたかっただけで。もしまた遊びでやってるんだったら、相手が可哀想だからそういうのはもうやめろって、忠告? したくて」

片手をあげて先手を打たれた。そして宮寺の相変わらずの真っ直ぐさ。

「お前は見境ないから……相手の女性の方のことも考えろよ? お前にはその場凌ぎでも、向こうはみんな本気だったんだから」

「………」

撃沈。

なんかこう、宮寺が言っていることが正論過ぎて、正当過ぎて、正し過ぎて、自分、宮寺の隣に座る資格もないと思う。

突っ立ったまま放心するしかない。

「――それだけだから。藤城に来た理由がお姉さんのことなら納得だ。藤城は桜庭とは違った方向に人脈あるからな。……それに関してだけは、早く見つかることを願っているよ」

そう言って、席を立ってしまった。龍さんに何か声をかけて、そのまま出て行く。

俺、落ち込んだまま。

「何やっての、お前」

「相変わらず琉奏には弱いよねー」

はっとすると、意識の端と端におなじみの顔があった。

「お前ら……」

「ちょ、泣きそうになるなよ。吹雪、ハンカチ貸してやって」

吹雪がポケットから出したハンカチを、しょげている俺は素直に受け取った。

「はいはい。まったく流夜はひねくれ過ぎてるから琉奏に弱いのかな。まあ、あそこまで真っ直ぐなのも天然記念物だけどさ。流夜、今まで琉奏だけは言いくるめられなかったもんねー」