「……頼はめっぽう弱いのに？」

「は？」

「流夜くんは武道強いでしょっ？　頼はそういうの全然やってないからひょろい棒みたいに弱いんだよ？　だ、大丈夫じゃないでしょっ？」

「……別にじんぐー、頼を殴ったりしねーよ？　そういう魂胆、あいつにあるわけないし」

「うっ……遙音先輩のが流夜くんわかってるとか、腹立つ現実……」

「そりゃー関わってる年数違うからじゃね？　そこは潔くいこーぜ」

「そうだよ咲桜！　頼は殴られたってただじゃ倒れないから！　何かしら取引要求するからまあプラマイゼロだよ！」

「教師の流夜くんが殴っちゃうのがまずいって言ってるんだよ！」

がちゃがちゃと言い合いながら資料室から遠ざかっていく。……ほ、本当に大丈夫かな……。