「カメラ部とか報道部とか考えてみたんだけどさー、どれももうあるし、成果出さなきゃいけないじゃん? 報道にしたら新聞とか出さなきゃいけないし、文化祭とかもあるし。したら、そういう曖昧なとこついておけば目立たずに興味も持たれずにいけるかなーって」

「疑問しか持たれねーな。はー。なるほどなるほど。頼のカメラが基本なわけか。んで、『色彩』」

「そういうこと。部長が咲桜でも、創部者が俺だつったら周りは納得するよ」

「「「………」」」

自己客観視してるなー。思わず感心した。

「あと、俺がいるつったら大抵の奴は入部したいなんて思わない」

「「「………」」」

はい。言うことないです。

なんかこう、頼は極めていると思う。遙音先輩は流夜くんを見た。

「お前が顧問引き受けんのはすぐわかんだけど、なんで俺まで入れたいんだ? 俺、別にお前と違って学校では人目とか気にしねーけど」

「!」

笑満の肩がびくりと跳ねた。先輩の言葉は皆まで聞かなくても伝わるらしい。

そしてそんな笑満の反応を嬉しがっている先輩。

「笑満ちゃんがやなら必要以上にはべたつかないけど?」

笑顔で言われて、笑満の顔が真っ赤になる。私まで赤面しそうだった。

そ、そういうことをさらっと言うかな……。

流夜くんといい、この派閥は赤面台詞が多すぎる。

けれど、笑満の友達としても言って置かねば。

「遙音先輩。学校で笑満が恥かくような真似したら利根川にぶっこみますよ」

「流域面積広いから勘弁してくれ。捜索が面倒になる」

キリっとした風に言った私に、疲れたように答えたのは流夜くんだった。流域面積……。