雪姫のいなくなった彼女の実家は没落した。
 撫子を危険に晒す人間はもう近くにはいない。

 あとは、この命が尽きる時まで撫子を愛したい。
 そしてできることなら、少しでも傍にいたい。

 そんなささやかな願いを彼女の笑顔を見るたびに思ってしまう──